イタリア Italy





ジェノア共和国 スクド銀貨 1633年
Genoa Scude

直径約42mm


イタリア北部の西海岸に位置する都市国家であるジェノアで、1602〜37年に発行された大型銀貨です。表面には王冠を頂いた、象徴的なジェノアの都市の門を描いており、裏面には四隅に星を配した十字を描いています。ごらんのように、コインの造りは良くありませんが、国内で販売されることは少なく、希少性も高いコインと言えます。




ナポレオン王国 5リレ銀貨 1809年 KM10.4
Kingdom of Napoleon 5 Lire

直径約36mm 約25g


ナポレオンは1805年にイタリア王となり、1807年から1814年まで、肖像入りのコインが発行されました。ボローニャ、ミラノ、ベニスで鋳造され、肖像周りの銘文の大小や、エッジの銘文が陽刻 (文字が凸になっている) あるいは陰刻 (文字が彫り込まれている) などのバラエティーがあります。 陽刻のベニスミント (1807〜8年) は稀少品ですが、それ以外は比較的入手は容易です。




ヴェネツィア共和国 デュカット銀貨 ND (1694〜1700年)
Venezia Ducato

直径約40mm


ヴェネツィア (ベニス) はアドリア海に面し、古くから交易の拠点として栄えました。また聖マルコを守護聖人としていただき、同聖人のシンボルであった有翼の獅子は、ヴェネツィアのシンボルとなり、その後たびたびヴェネツィアのコインに描かれています。1848年のヴェネツィア臨時政府も「地上の有翼の獅子」と「台座上の有翼の獅子」の2種類の5リレを発行しています。また、デュカットは、貿易などの基準単位として広く使用されました。




ヴィットリオ・エマヌエレ3世 5リレ銀貨 1914年 KM56
Vittorio Emanuele III 5 Lire

直径約37mm 約25g


第一次世界大戦の戦勝を祈念して発行されたと言われるコインです。世界のコインの中でもデザインの美しさは有数で、裏のデザインは、古代ローマコインにも描かれた「カドリガ」として有名です。通常貨以外に試作貨 (prova) もかなりの数が存在していますが、5リレはいずれも稀少品です。同じデザインで、1リラと2リレの通常貨が1914年から1917年まで発行されています。




フェルディナント2世 120グラナ銀貨 1857年 KM153C
Naples & Sicily Ferdinand II 120 Grana

直径約37mm 約25g


イタリアの両シシリー王国で発行された、フェルディナンド2世の120グラナ銀貨です。正確な発行枚数は不明ですが、現存数が多いので、EF までのコンディションであればいつでも入手可能なコインです。価格も手ごろで、イタリアの安価なクラウンサイズの代表的存在です。このコインの前に、肖像が少し若いタイプが3種発行されていますが、いずれも EF 前後のコンディションであれば、入手は難しくありません。




ロンバルディ 5リレ銀貨 1848年 KM22
Lombardia 5 Lire

直径約36.5mm 約25g


ウィーン会議において、ナポレオン王国は分割され、ヴェネツィアとミラノを統合し、ロンバルディ・ヴェネツィアという新王国にしたうえで、オーストリア皇帝フランツ1世に与えられました。その後1848年にヨーロッパで相次いで革命が起こり、ミラノでも市民がオーストリア軍に蜂起し、ロンバルディ革命政府が樹立され、このコインが発行されました。しかし翌年、革命はオーストリア軍によって鎮圧され、1860年にイタリア王国が統一されるまで、オーストリアの支配が続きました。




ルッカ 5フランキ銀貨 1805年 KM24
Lucca 5 Franchi

直径約38mm 約24.84g


ナポレオンは1805年にピオンビノとルッカを統合した公国を建国し、妹のエリーズとその夫フェリチェ・バッチオキに与え、二人の肖像を描いたコインが発行されました。1808年まで4年号が発行されており、入手は比較的容易です。ナポレオンの敗北後、一時ナポリ軍に占領されたが、1816年にマリー・ルイーズ (オーストリア皇帝の娘、ナポレオンの二番目の皇后) に譲られ、彼女の死後はトスカナに併合されました。




パルマ マリー・ルイーズ 5リレ銀貨 1815年 C30
Parma Marie Louise 5 Lire

直径約36.5mm 約25g


オーストリア皇帝フランツ一世の娘マリー・ルイーズは1810年にナポレオンと結婚しましたが、ナポレオン敗北後はオーストリアに戻りました。パルマ公国は、ナポレオンが1805年に北部イタリアを領有した際にフランスに併合されましたが、奇しくも、フォンテンブロー条約によりにマリー・ルイーズに譲られました。彼女の死後も公国は続きましたが、1860年にイタリア王国に併合されました。




サン・マリノ 5リレ銀貨 1898年 KM5
San Marino 5 Lire

直径約37mm 約25g


サン・マリノは世界最古で、世界最小の共和国です。イタリア北部に位置し、その周囲はイタリアに囲まれており、貨幣制度もイタリアにならっています。このコインは裏に建国者、聖マリヌスの立像を描き、表にはサン・マリノの紋章を描いています。小国であり発行枚数も18,000枚と少なく、状態が良いものでも、裏のフィールドにバッグマーク (袋ズレ) のあるものが多くみられます。




イタリア ミラノ テストン銀貨 ND (1494〜1499年)
Milan Testoon

直径約28mm 約25g


このコインは、それまでの薄い銀板状のコインから、比較的厚みのあるコインに変わり、描かれている人物像もリアルになっています。このコインに描かれているルドヴィコ・マリア・スフォルツァ (イル・モロ) は1494年にミラノ公となりましたが、1499年にフランスのルイ12世の侵入を受け退位しました。このルドヴィコ・マリア・スフォルツァはレオナルド・ダ・ヴィンチのパトロンだったため、この肖像はダ・ヴィンチがデザインしたという説もありますが、J.PORTEOUSの "COINS IN HISTORY" では、メダル師カラドッソの作としています。



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