フランス エキュ France Ecu





ルイ13世 エキュ銀貨I型 1642年
Louis XIII Ecu

直径約39mm 約27.1g


フランスではイングランドに遅れること90年後の1641年に、ルイ13世の肖像を描いた大型銀貨が登場します。写真はこの最初のタイプです。1642-43年にはやや肖像の老けた II型も登場します。II型の方が入手はやや容易です。




ルイ14世少年像 エキュ銀貨 1644年
Louis XIV Ecu (1)

直径約39mm 約27.1g


ルイ14世よりエキュ銀貨が大量に作られるようになります。まずは少年像を描いたタイプです。ルイ14世の耳の手前のおさげが短いタイプと長いタイプに分かれます。写真は短いタイプで、肖像の彫も深くやや希少です。長いおさげのタイプは10以上のミントで大量に作られています。最盛期の1651年と1652年のパリミントでは100万枚以上作られています。




ルイ14世壮年像 エキュ銀貨 1680年
Louis XIV Ecu (2)

直径約39mm 約27.1g


少年像の次に青年像が出されているのですが、割愛しました。このタイプはルイ14世の身に付けている衣装から高等法院タイプと呼ばれます。このタイプも2つに分かれますが、ポピュラーな I型を載せました。中々威厳のある肖像が描かれています。




ルイ14世中年像 エキュ銀貨その1 1690年
Louis XIV Ecu (3)

直径約39mm 約27.1g


1690年より作られたこのタイプより1709年まで4タイプ続けて、既存のコインを回収しそのまま新しいデザインを打刻する再刻印タイプとなります。裏面に Lを 8個描いていることから 8Lタイプと呼ばれます。ルイ14世の肖像がかなり老けたものになっています。




ルイ14世中年像 エキュ銀貨その2 1695年
Louis XIV Ecu (4)

直径約39mm 約27.1g


1693年より発行された2番目の再刻印タイプで、裏面の紋章を棕櫚 (パーム) の葉が囲んでいることから、パーム型と呼ばれます。写真は再刻印されたものではなく、新規の平金より少量作られた新鋳タイプです。再刻印タイプはこの後2タイプ続きますが、写真は省略いたします。




ルイ14老年像 エキュ銀貨 1709年
Louis XIV Ecu (5)

直径約41mm 約30.5g


20年の間再刻印を続けたため、コインの直径は伸びきり描がかれているデザインも醜くなってしまいました。1709年には貨幣改革が行われ、裏面に王冠を3つ描いた立派なエキュ銀貨の登場となりました。非常に多く作られ、ルイ14世エキュ銀貨では最もポピュラーな存在です。表面の右端の線傷と裏面の右やや下の銘文の不鮮明部分は、アジャストマークと呼ばれる平金製造直後の量目調整による傷およびへこみです。アジャストマークはこの時代のフランスコインにはかなり多く存在します。




ルイ15世幼年像 エキュ銀貨 1716年
Louis XV Ecu (1)

直径約41mm 約30.5g


1715-17年に作られたルイ15世の幼年像を描いたエキュ銀貨です。表面は同じデザインで裏面にルイ14世時の3つの王冠を描いたタイプも出されていますが、大変希少です。表面の幼年像の首のあたりに90度回転したルイ14世の鼻の頭からあごの部分が見えています。このコインは再刻印されたものです。




ルイ15世少年像 エキュ銀貨 1733年
Louis XV Ecu (2)

直径約41mm 約29.5g


1726-41年に作られたルイ15世の少年像を描いたエキュ銀貨です。30ものミントで15年の間かなりの量作られたポピュラーなタイプです。幼年像もこの少年像も、ルイ14世ものと比べるとかなり頼りない感じがします。




ルイ15世青年像 エキュ銀貨 1764年
Louis XV Ecu (3)

直径約41mm 約29.5g


1740-73年に作られらルイ15世の青年像を描いたタイプです。このタイプも少年像同様20以上のミントで大量に作られていますが、作りがかなり悪くなっています。ルイ15世のエキュ銀貨には1770-74年発行の老年像もありますが、さらに作りが悪くなります。




ルイ16世青年像 エキュ銀貨 1785年
Louis XVI Ecu

直径約41mm 約29.5g


1774-92年にかけて10数か所のミント大量に発行された、ルイ16世の青年像を描いたエキュ銀貨です。非常にポピュラーな存在で入手は容易ですが、意外と状態のよいものは少ないです。



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